コラム

「こんくゎい なき納めとぞ ふる狐」

2024.12.22

野村万蔵さんの恒例誕生日公演 『第四回 万蔵の会』

今回は
「こんくゎい なき納めとぞ ふる狐」
後悔(こんくゎい)の無きように、鳴きおさめる

毎年、万蔵さんのお誕生日 に開催していますが、今回は50代最後のお誕生日前日に狂言の中で一番難曲であり秘曲といわれる「釣狐」の鳴きおさめ✨

狐の化けた僧を演じ、再び現れたその姿は狐の着ぐるみを身に着け、本物の狐のような鳴き声とその動きに目を見張り👀舞台へと惹きこまれていきました❣️
特に後半の罠の餌を奪おうとする狐と、罠にかけようとする猟師のやりとりは息を呑む迫力と緊張感で‼️その場の空気、集中力、気迫、もの凄いものがありました。

狩猟役をつとめられた万蔵さんの大先輩とおっしゃっる佐藤友彦さんのとても82歳とは思えない声のハリと身のこなしの素晴らしさに驚きと感動でした✨

そして、この演目には鹿皮の手袋と足袋が必要なのに、現在、足袋を作ってくださる人がいないと困っていたら、本物の狩猟をされる姉妹の方々とご縁があり、今回、万蔵さんの足にピッタリと合う本物の猟師の方が釣った鹿皮をまとわれて演じられました。
これも万蔵さんの想いが引き寄せたことなのだと感じました💪

狂言はまだまだ素人ですが、今回の「釣狐」と通して
狂言の修行の過程を表わす「猿に始まり、狐に終わる」という言葉を知りました。
「靭猿」の猿の役で初舞台を踏み、「釣狐」を披く(初演する)ことで一人前の役者として認められる大事な曲という意味がある。

万蔵さんはこれまで、25歳、35歳、45歳の節目の年に「釣狐」を演じられ、55歳の時に発足させた「万蔵の会」の第一回で「釣狐」を演じる予定でしたが、胃がんの手術のため断され、59歳のお誕生日前日に最後の「釣狐」を後悔(こんくゎい)なく鳴きおさめされました。

舞台の始まる前に万蔵さんがお話してくださった中で、「心身共に過酷な役」という言葉が心に残りました。

本当に素晴らしい舞台でした🥹

万蔵さんの最後の「釣狐」を観れたこと、この機会を作ってくれた匠子サロンに感謝です💕

皆さん、お着物での観劇ということで華やか✨賑やか😁楽しかった╰(*´︶`*)╯♡

私個人としては、初めて母の着物を着ました👘
私が子供の頃、母が着ていた着物姿を思い出し、その着物を今私が着ているんだなぁ~と上手く表現できませんが、心が温かくなりました🩷

初めて着た母の着物👘
いつもの雰囲気とはちょっと違う感じ^_-☆