コラム

始動01 エグゼクティブ・コーチング

2021.03.17

本質から経営を変える、相手の「本質」を引き出すコーチング

本質を引き出し、一緒に見つけていく

一般的なコーチングに対し、私が行うエグゼクティブ・コーチングでは、コーチである私はさらにさまざまな役割を担っています。単なるコーチとしてだけではなく、アドバイザーでもあり、バディ・伴走者でもあり、時にはセラピストでもあるといえます。

一般的にコーチングでは、まず最初のゴール(目標)設定をしますが、そもそもこの段階で多くのクライアントは本当に望んでいるゴールとは違うゴールを設定しがちです。例えば、年商20億円を実現したい、一等地におしゃれなオフィスを構えたい、ワークライフバランスを良くし家族との時間を増やしたい――といった、頭で考えた理想の目標です。

でも、それが本当に求めているゴールなのかというと、実はそうではないことが多いのです。彼らの中には、周囲の期待に応えようとしたり、世の中で成功と言われるものを求めたり、地位や名誉、お金といった目に見える形へのこだわりがあります。それらがいつしか自分の目標になってしまっているだけなのです。

ですから、心の中では、実際にはそれらを望んでいません。まずこの状況から、本当のゴールを見つけ出す必要があります。

そもそも目標が達成しない理由は何でしょうか? 多いのが、クライアントの中にある過去の記憶や経験、トラウマがおもりとしてあるケースです。それらを解除しなければ、いくらゴール設定を明確にしても本当の目標には、永遠に到達しません。

さらには、どんなに理想のゴールを目指したところで、本人の内面がそれに追いついた状態にならないとたどり着くことはできません。「年商20億を実現」するにふさわしい内面が備わっていなければ、仮に目標が達成できたとしてもそこで力尽きてしまうかもしれません。

そのため、理想にふさわしい内面を育てていくこともとても重要です。ここを意識することで、なぜかこの段階で、当初「本人が予想もしていなかった目標」が見えてくることが多々あります。それが実は、その人が本当に求めているゴールなのです。

そこで、そのゴールに向かって進んでいくための手助けをしていきます。 

具体的には、本人の中にそれを実現する知識や方法を探していきますが、それがないと思い込んで悩んでいる場合も多いものです。さて、そんなときは、私が持っている「コーチングの道具箱」の出番となります。

「道具箱」とは、脳科学、量子力学、セルフコーチングの知識はもちろん、32年に及ぶ実務や実例を元にした圧倒的な現場での経験を活かすことで、クライアント本人の中にある経験知を引き出していくものです。これを使うことで、当初持っていたクライアントの信念や記憶をも変えていくことができるのです。

「自分を好きになること」がやはり重要

それらの段階を経て、最終的に「自分を好きになっていく人」を大勢見てきました。

また、本当にやりたいことが見つからないと感じていた人が本来やりたかったことに気づいたり、お金や人間関係に悩んでいた状態から解き放たれるようになります。それらはすべて、人それぞれで違う結果です。

なぜなら、私が目指しているのはクライアントが頭で考え意識的に行う結果ではなく、あくまでも相手の中の本質を引き出し、見つけ出していくやり方だからです。

通常のコーチングでは意識の領域で考えた目標に向かって、理性的にアプローチするため、人によっては頑張れば頑張るほど苦しくなることがあります。

一方、私が行うエグゼクティブ・コーチングではクライアントが自分でも気づかずにいる、心から望んでいることを引き出し実現できるようサポートする方法を用いることで、無理なく信念や思考自体も変化させることができます。

最終的には、クライアントの自立を

エグゼクティブ・コーチングではクライアントが持つ本質を感じ取り、人間力を育てていくことが大事だと考えています。そのために、ときには一般常識や所作なども教えることがあります。

そして最終的には、クライアントが自ら考え、すぐに行動できるようになるところまで伴走していきます。そのために私がやっていくのは、「その人が本当に行きたいと感じた道に、安心して走っていける力を与える」こと。それはもしかして、当初は思ってもみなかった道かもしれません。 

けれども、たとえそれが世の中で言う成功からは遠くても、地位や名誉、お金に簡単に結びつくようなものではなくても、それこそが本当に自分が求めていたゴールだった、という人をたくさん見てきました。そこにたどりつく過程で、内面も成長し、本当の意味で自分に自信がついたり、心からの喜びを得るようになった――という声を聞くのが、私にとってのコーチングのゴールです。

壮絶な「修羅場コンサルティング経験」から生まれた、
独自の「本質を見る」コーチング手法

「修羅場コンサルティング」ならではの「本質を見る力」を使ったコーチング

私は、脳科学や量子力学、クオンタムヒーリングなど、たくさんの学びを経ていますが、これまで私が経験し学んできたことのすべてを使い、その人それぞれに合わせてコーチングしているので、ひとつの型のようにお伝えすることは基本的にありません。

私のコーチングは、私が今までの人生で身につけてきたことによる「本質を見る力を使った」コーチングです。それは「修羅場コンサルティング」とも呼ばれた、数多くの会社や経営を立て直してきた、壮絶な現場で培った経験に基づいています。

毎朝起き上がれないほどのうつやアルコール依存症になっている状態、資金繰りに追われ何も考えられない日々、会社でも家庭でも誰も信頼できない孤独――。何不自由なく見えて実際には崖っぷちにいる経営者たちをこれまでたくさん助けてきました。

彼らに共通して言われてきたのは、「誰にも相談できなかった」という言葉。それこそがこの悲惨な状態、病の本質だったのです。

「助けて」という一言が言えないことで、会社の経営も人生も破綻し、命さえも失う危険に陥っている経営者たち。彼らを本当に救うためには、表面に見えている数字を良くすることだけではなく、その人自身に自らが求めているものが何か、気づいてもらう必要がありました。

「一度いただいた信頼は裏切らない」「一滴の水を大河にする」

本当のことは誰にも相談できないまま、苦しんでいる経営者がいかに多いか――。これまでのコンサルティングの現場で、毎回痛感してきました。

だからこそ、私は「一度いただいた信頼は裏切らない」「一滴の水を大河にする」をモットーに、出逢った人には経営面だけではなく人生まるごと関わってきました。

ときには、無理に会社を立て直すのではなく、あえて解散などの方策を取るのがベストという場合もありえます。「最悪の中の最善は何か」を考え抜き、幸せになるために、人生をより良く生きるために、「破壊なくして再生はない」とより良い形での“破壊”も決断することがあります。その場合も、クライアントには再生までとことん付き合っていきました。

新しい生活を歩み出すために、家計簿の付け方や自炊の仕方を実践してみせる。崩壊しかかっていた夫婦や親子関係を取り戻せるよう、住む家を探したり、家族の悩みに耳を傾ける。――

こうして自分の命を削るようにして経営者に寄り添い、不可能と言われた状況も変えていきました。

それらの経験から、経営者たちが自分自身でも気がついていない、無意識にある“本質”を見極めることができるようになったのです。